第884回「よその旅館ホテル」
──創業は。
「400年前、江戸時代です。県内では最古で、昔ながらの風情が残る、日本の原風景のような宿です。岩井温泉の開湯は1200年前で、山陰最古の歴史を誇る温泉です。清流浦生川に沿った温泉街は、穏やかで素朴な情緒に包まれており、現在は3軒の宿が営業を行っています」
──料理は。
「『因幡山海の幸会席』をテーマにした、みずみずしい因幡地方の山と海の幸をふんだんに盛り込んだ会席料理です。先日冬の味覚の王様である松葉ガニ漁が解禁されました。刺し身から焼き物、揚げ物、全てタグ付きのカニを使ったフルコースも用意しています」
──客層は。
「県東部に位置しているので、6~7割は関西圏の方です。道路事情が良くなったので中京圏の方も増えてきました。宿のしっとりとした雰囲気は首都圏の方にも気に入っていただけると思いますが、交通手段が飛行機しかないのでもどかしい思いをしています」
──年齢層は。
「今は老若男女問わずいらっしゃいます。2013年に岩美町を舞台にしたアニメが放送されて以来、作品の舞台を巡る『聖地巡礼』の若いお客さまが増えました。また、ある雑誌の『住みたい田舎』ランキング16年版で町が1位に選ばれたり、すぐそばの浦富海岸に今夏、海上アスレチックがオープンするなど、最近までは追い風を感じていました」
──鳥取地震の影響は。
「キャンセルが相次ぎ、新規の予約も低調です。現在は例年の半分しか予約が入っていません。岩井温泉は元気に営業中ですので、ぜひ、源泉かけ流しの“生きた温泉”に入りに来てください」
【平日1泊2食付き1万3千円~(税別)】